2019年12月30日、競輪界最大のレースが日没とともに行われました。
東京都立川市にある立川競輪場で開かれた「KEIRINグランプリ」。
令和初のグランプリを勝ち取るために、トップクラスの選手たちが集まりました。
今回の記事では、第35回KEIRINグランプリの決勝の出場選手・ライン予想・オッズ分析レース結果などをご紹介します。
KEIRINグランプリとは?
KEIRINグランプリとは、毎年12月30日に開催される競輪のGP(グランプリ)競走のこと。
「その年のトップクラス9名の選手を集めて対戦させる」という夢の対決のため、競輪における最上位のレースと位置付けられています。
その年の競輪界の「真の実力日本一決定戦」とも言えますね。
KEIRINグランプリの出場資格は?
KEIRINグランプリの出場資格は、当年1月〜競輪祭最終日の選考期間中に、以下の優先順位に従って正選手9名・補欠1名が選抜されます。
- 各G1競走優勝者(各G1競走は次の通り、括弧内は開催月)
・読売新聞社杯全日本選抜競輪(2月)
・日本選手権競輪(5月)
・高松宮記念杯競輪(6月)
・オールスター競輪(8月)
・寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(10月)
・朝日新聞社杯競輪祭(11月) - 選考委員会が特に認めた選手:競輪祭開催以前に決定
- 残余は賞金獲得額上位者を順次選抜
同額の場合は、当年1月〜10月までの10か月間における平均競走得点上位者を優先
KEIRINグランプリの出場選手は、通称「グランプリレーサー」と呼ばれています。
今年一年の総決算レースのため、選手たちはKEIRINグランプリへの出場を目指して日々レースに臨んでいます。
KEIRINグランプリ2019の賞金は?
KEIRINグランプリの賞金は、回を重ねるごとに少しずつ増額されています。
1985年の第1回大会は1,000万円でしたが、2004年から優勝賞金は1億円となり、2014年からは副賞を含めて1億円を突破したことから注目を集めています。
ここでは、2019年大会の賞金額を下の表にまとめました。
着順 | 金額 |
1着 | 9,840万円(1億340万円) |
2着 | 2,090万円 |
3着 | 1,265万円 |
4着 | 853万円 |
5着 | 708万円 |
6着 | 614万円 |
7着 | 584万円 |
8着 | 562万円 |
9着 | 542万円 |
※( )内は副賞(1〜3着に授与)を含んだ金額
優勝賞金の1億円は、競艇の賞金王決定戦とともに1レースの優勝額では世界最高額として、ギネス世界記録に認定されています。
KEIRINグランプリ2019の出場選手・ライン予想・オッズ分析
決勝戦に進んだのは、上記の9名。地区や各選手のコメントから、決勝戦は、
- 新田選手、佐藤選手の南東北(福島)ライン(7-4)
- 単騎の中川選手(1)
- 清水選手、松浦選手の中国ライン(5-2)
- 脇本選手、村上選手の近畿ライン(3-9)
- 単騎の郡司選手(6)
- 単騎の平原選手(8)
以上のようなライン予想となりました。また、オッズに関しては
- 1番人気:3-7-2(48.8倍)
- 2番人気:3-2-7(54.8倍)
- 3番人気:7-3-2(57.6倍)
以上のように、福井の脇本 雄太選手(3)、福島の新田 祐大選手(7)、広島の松浦 悠士選手(2)に人気が集中していました。
やはり、東京五輪のメダル候補である脇本選手、新田選手とB回数と競走得点が高い松浦選手はレースの大本命と言えます。
では、実際のレース展開がどうなったのか、見ていきましょう!
KEIRINグランプリ2019のレース結果は?
KEIRINグランプリ2019を制したのは、福島の佐藤 慎太郎選手でした。佐藤選手おめでとうございます!
それでは、決勝レースを振り返っていきましょう!
発走直後に先頭を取ったのは、4番車・佐藤 慎太郎選手でした。
その後、先頭員の周回中に4番車・佐藤選手の前に7番車・新田 祐大選手を入ります。レース前のライン予想通り、新田選手と佐藤選手の南東北(福島)ライン(7-4)が形成されました。
福島ラインの後ろには、清水 裕友選手、松浦悠士選手の中国ライン(5-2)。
その後ろに単騎の8番車・平原 康多選手、同じく単騎の1番車・中川 誠一郎選手が続きます。
そして、車間を空けて7・8番手は脇本 雄太選手、村上 博幸選手の近畿ライン(3-9)、9番手に単騎の6番車・郡司 浩平選手が続きました。レースはそのまま、終盤戦に突入します。
打鐘が鳴った残り1周半、最初に動いたのは3番車・脇本選手でした。7番車・新田選手との踏み合いになります。
脇本選手は、近畿ラインを形成した9番車の村上選手と、9番手につけていた6番車・郡司選手とともに先頭へ躍り出ます。
この3車の内側では、清水 裕友選手、松浦悠士選手の中国ライン(5-2)が先頭へ出ようと動き出します。しかし、追いつくことができません。
先頭は脇本選手のまま、いよいよ最終周。番手には新田選手がなり、近畿ラインだった村上選手は後方へ下がってしまいます。
先頭から脇本選手、新田選手、佐藤選手、郡司選手と1列に。続く中国ラインが外側からまくろうとしますが、追いつけません。
最終ストレートで、佐藤選手が一気に追い上げてきます。ここで新田選手は、伸びることができず。ゴール手前では、佐藤選手が逃げる脇本選手を捉えます。
結果、佐藤選手が脇本選手を鋭く交わし「差し」を決めてゴール!
佐藤選手は、わずか1/4車輪の差で脇本選手に競り勝ち。3着には、大外から上がって来た平原が入る結果となりました。
レースのリプレイ動画も載せておくので、気になる方はチェックしてみてください。
競輪で中穴を狙うポイントは?
レース結果はこの通りで、三連単の410番人気で1439.2倍という結果でした。
- 脇本選手(3)
- 新田選手(7)
- 松浦選手(2)
以上のナショナルチーム所属の脇本選手、新田選手と3連対率の高さがメンバー随一の松浦選手の上位入賞が予想されていました。
しかし実際には、佐藤選手(4)が1着、平原選手(8)が3着に入りました。
その結果、オッズは「3-7-2(48.8倍)」よりも跳ねて「4-3-8(1439.2倍)」と、29倍にも上がりました。
このようなおよそ10〜50倍になる車券は「中穴」と呼ばれ、的中もしつつ鉄板車券よりも多く稼ぐことができます。
今大会は、大本命だった脇本選手が2着、新田選手が4着と少々波乱のレース展開になりました。
一方で、勝率や競走得点が選手の中で中間に位置する佐藤選手や平原選手がそれぞれ1、3着に入ったことで29倍のオッズになったと言えますね。
このように、競輪で中穴を狙う「強いラインの本命選手だけではなく、強いライン中の目立たない選手も三連単の車券に絡める」というテクニックは、予想では使うことができます。
「的中はさせたいけど、そこそこは稼ぎたい…!」と考えている方はぜひ試してみてくださいね。
まとめ:佐藤選手が13年ぶりのグランプリ獲得!
2019年最大のレースを現地観戦しようと1万5千人を超える観客が集まり、今年も熱戦が繰り広げられた「KEIRINグランプリ2019」。
東京五輪のメダル候補が出場するなか、見事令和初のKEIRINグランプリのチャンピオンに輝いたのは、佐藤 慎太郎選手でした。
佐藤選手は13年ぶりのグランプリ獲得、おめでとうございます!
次回の第36回KEIRINグランプリは、2020年12月30日、3年ぶり8度目の神奈川県平塚市にある平塚競輪場で行われますよ。
こちらもチェックしていきましょう!
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