毎年2月上旬〜中旬頃に開かれる競輪のGI競走の1つ「読売新聞社杯全日本選抜競輪」は、2019年2月8日〜2月11日までの4日間、大分県別府市の別府競輪場で第34回大会が開かれました。別府競輪場でのGI開催は初めてです。
今回の記事では、第34回読売新聞社杯全日本選抜競輪の出場選手、レース結果などをご紹介します。
読売新聞社杯全日本選抜競輪とは?
読売新聞社杯全日本選抜競輪は、選手の「出身地別の郷土色を生かした特別競輪を復活させたい」との意見から、全国を8地区に分けた地区ごとの成績上位者によって争われています。
そして、1985年の第1回に「全日本選抜競輪」という名称で開かれ、1996年の第12回大会から期間が6日制から4日制に短縮されています。
読売新聞社杯全日本選抜競輪の出場資格は?
読売新聞社杯全日本選抜競輪の出場選手は、各都道府県で最も成績を残した選手を中心に選抜されます。
概ね次の資格順位により正選手108名、補欠選手8名が選抜されます。なお、選考期間は前年6月~11月の6カ月間で、12月に選考。また、最低出走回数が24出走を満たす必要があります。
- S級S班在籍
- 過去3回以上優勝経験あり(開催時にS級1班所属が条件)
- 開催時S級1班在籍選手のうち、47都道府県それぞれで平均競走得点が1位
※選考時に1年以上同じ都道府県に在籍している選手のみ
※S級1班が不在の都道府県からは選出しない - 全国を8つに分けた地区毎の平均競走得点1〜3位
- 選手選考対象期間に2カ月以上JCFトラック種目強化指定に所属(開催時S級1班所属が条件)
- 残余は平均競走得点上位者より順次選抜
また、補欠選手は正選手を除いて平均競走得点上位者からさらに順次選抜されます。
ちなみに正選手のうち、S級S班在籍者と平均競走得点上位者の合計27名は、特別選抜予選に出走可能です。
読売新聞社杯全日本選抜競輪の出場選手は?
では、第34回読売新聞社杯全日本選抜競輪にはどんな選手が出場したのでしょうか。地区ごとに一覧でご紹介します。
ランク | 地区 | 選手名 | 期 | 府県 |
SS | 関東 | 武田 豊樹 | 88 | 茨城県 |
平原 康多 | 87 | 埼玉県 | ||
近畿 | 村上 義弘 | 73 | 京都府 | |
村上 博幸 | 86 | 京都府 | ||
S1 | 北日本 | 大森 慶一 (補充) |
88 | 北海道 |
菊地 圭尚 | 89 | 北海道 | ||
永澤 剛 | 91 | 青森県 | ||
坂本 貴史 | 94 | 青森県 | ||
新山 響平 | 107 | 青森県 | ||
佐藤 博紀 | 96 | 岩手県 | ||
斎藤登志信 | 80 | 宮城県 | ||
大槻 寛徳 | 85 | 宮城県 | ||
菅田 壱道 | 91 | 宮城県 | ||
和田 圭 | 92 | 宮城県 | ||
守澤 太志 | 96 | 秋田県 | ||
佐藤慎太郎 | 78 | 福島県 | ||
成田 和也 | 88 | 福島県 | ||
山崎 芳仁 | 88 | 福島県 | ||
渡邉 一成 | 88 | 福島県 | ||
飯野 祐太 | 90 | 福島県 | ||
小松崎大地 | 99 | 福島県 | ||
関東 | 芦澤 大輔 | 90 | 茨城県 | |
牛山 貴広 | 92 | 茨城県 | ||
芦澤 辰弘 | 90 | 茨城県 | ||
吉澤 純平 | 101 | 茨城県 | ||
杉森 輝大 | 103 | 茨城県 | ||
吉田 拓矢 | 107 | 茨城県 | ||
神山 拓弥 | 91 | 栃木県 | ||
長島 大介 | 96 | 栃木県 | ||
金子 幸央 | 101 | 栃木県 | ||
稲村 成浩 (補充) | 69 | 群馬県 | ||
小林 大介 | 79 | 群馬県 | ||
天田 裕輝 | 91 | 群馬県 | ||
木暮 安由 | 92 | 群馬県 | ||
池田 勇人 (補充) | 90 | 埼玉県 | ||
岡 光良 | 94 | 埼玉県 | ||
朝倉 佳弘 | 90 | 東京都 | ||
志村 太賀 | 90 | 山梨県 | ||
諸橋 愛 | 79 | 新潟県 | ||
鈴木 庸之 | 92 | 新潟県 | ||
南関東 | 成清 貴之 | 73 | 千葉県 | |
中村 浩士 | 79 | 千葉県 | ||
伊勢崎彰大 | 81 | 千葉県 | ||
海老根恵太 | 86 | 千葉県 | ||
山賀 雅仁 | 87 | 千葉県 | ||
和田健太郎 | 87 | 千葉県 | ||
近藤 隆司 | 90 | 千葉県 | ||
田中 晴基 | 90 | 千葉県 | ||
根田 空史 | 94 | 千葉県 | ||
齊藤 竜也 | 73 | 神奈川県 | ||
五十嵐 力 | 87 | 神奈川県 | ||
桐山敬太郎 | 88 | 神奈川県 | ||
内藤 秀久 | 89 | 神奈川県 | ||
小原 太樹 | 95 | 神奈川県 | ||
郡司 浩平 | 99 | 神奈川県 | ||
和田真久留 | 99 | 神奈川県 | ||
渡邉 晴智 | 73 | 静岡県 | ||
岡村 潤 | 86 | 静岡県 | ||
渡邉 雄太 | 105 | 静岡県 | ||
中部 | 金子 貴志 | 75 | 愛知県 | |
山内 卓也 | 77 | 愛知県 | ||
吉田 敏洋 | 85 | 愛知県 | ||
志智 俊夫 | 70 | 岐阜県 | ||
竹内 雄作 | 99 | 岐阜県 | ||
柴崎 淳 | 91 | 三重県 | ||
坂口 晃輔 | 95 | 三重県 | ||
北野 武史 | 78 | 石川県 | ||
野原 雅也 | 103 | 福井県 | ||
近畿 | 稲垣 裕之 | 86 | 京都府 | |
山田 久徳 | 93 | 京都府 | ||
三谷 将太 | 92 | 奈良県 | ||
稲毛 健太 | 97 | 和歌山県 | ||
南 潤 | 111 | 和歌山県 | ||
古性 優作 | 100 | 大阪府 | ||
松岡 健介 | 87 | 兵庫県 | ||
中国 | 岩津 裕介 | 87 | 岡山県 | |
柏野 智典 | 88 | 岡山県 | ||
取鳥 雄吾 | 107 | 岡山県 | ||
松浦 悠士 | 98 | 広島県 | ||
桑原 大志 | 80 | 山口県 | ||
香川 雄介 | 76 | 香川県 | ||
池田 憲昭 | 90 | 香川県 | ||
小倉 竜二 | 77 | 徳島県 | ||
高原 仁志 (追加) | 85 | 徳島県 | ||
原田研太朗 | 98 | 徳島県 | ||
小川真太郎 | 107 | 徳島県 | ||
太田 竜馬 | 109 | 徳島県 | ||
佐々木則幸 | 79 | 高知県 | ||
濱田 浩司 (補充) | 81 | 愛媛県 | ||
橋本 強 | 89 | 愛媛県 | ||
九州 | 大坪 功一 (補充) | 81 | 福岡県 | |
坂本健太郎 (補充) | 86 | 福岡県 | ||
園田 匠 | 87 | 福岡県 | ||
吉本 卓仁 (補充) | 89 | 福岡県 | ||
小川 勇介 (補充) | 90 | 福岡県 | ||
北津留 翼 | 90 | 福岡県 | ||
荒井 崇博 | 82 | 佐賀県 | ||
山田 英明 | 89 | 佐賀県 | ||
井上 昌己 | 86 | 長崎県 | ||
山崎 賢人 | 111 | 長崎県 | ||
大塚健一郎 | 82 | 大分県 | ||
西川 親幸 (補充) | 57 | 熊本県 | ||
新井 秀明 | 85 | 熊本県 | ||
中川誠一郎 | 85 | 熊本県 | ||
S2 | 近畿 | 藤木 裕 (補充) |
89 | 京都府 |
近畿 | 村田 雅一 | 90 | 兵庫県 | |
四国 | 湊 聖二 | 86 | 徳島県 |
※欠場した選手は除く
読売新聞社杯全日本選抜競輪の賞金は?
読売新聞社杯全日本選抜競輪の賞金は、次のように着順で異なります。次の表に決勝戦の賞金額をまとめました。
着順 | 金額 |
1着 | 2,800万円(2,990万円) |
2着 | 1,440万円(1,480万円) |
3着 | 940万円(964万円) |
4着 | 680万円 |
5着 | 560万円 |
6着 | 470万円 |
7着 | 380万円 |
8着 | 350万円 |
9着 | 330万円 |
※( )内は副賞(1〜3着に授与)を含んだ金額
決勝の出場選手・ライン予想・オッズ分析
地区や各選手のコメントから、決勝は、
- 中川選手の単騎(1)
- 吉澤選手、武田選手、佐藤選手の東北ライン(5-2-9)
- 中四国ライン(7-3-4)
- 和田選手の単騎(6)
- 吉田選手の単騎(8)
という細切れ戦(通常3つのラインが、4つ以上できるレース)のライン予想となりました。
オッズについては、
- 1番人気:1-2-4(17.0倍)
- 2番人気:1-7-2(38倍)
- 3番人気:2-9-1(39.8倍)
となっており、単騎の中川選手(1)、東北ラインの武田選手(2)、佐藤選手(9)が人気の中心となっていました。
中川選手と東北ラインの競り合いが本命ですが、実際のレース展開がどうなったのか、見ていきましょう!
決勝のレース結果
想定通りの細切れ戦でレースが始まり、 ゴール一周半前の打鐘(ジャン)のタイミングでは、吉澤選手、武田選手、佐藤選手の東北ライン(5-2-9)が先頭を走っていました。
そこに、本命の中川選手(1)がまくろうと外側を一気に並走していく展開。
中川選手(1)を前に出させまいと、東北ラインの吉澤選手(5)や武田選手(2)が横に動いてガードするも、中川選手(1)が単騎でそれを突破します!
先頭に立った単騎の中川選手(1)が勝つのか、それとも吉澤選手、武田選手、佐藤選手の東北ライン(5-2-9)が最後に抜き返すのかというハラハラする展開。
ラスト半周の時点では中川選手(1)が一気に前に出るものの、先頭ゆえの風圧もあって、徐々に吉澤選手、武田選手、佐藤選手の東北ライン(5-2-9)が詰め寄り…
最後は、中川選手(1)が紙一重で逃げ切り、追いかける東北ラインのうち佐藤選手(9)が2着、吉澤選手(5)が3着となりました。
今回のG1決勝は、単騎という不利を跳ね返して、中川選手がダントツの自力で逃げ切ったレースでした。
中川選手、2度目のG1制覇、おめでとうございます!
レースのリプレイ動画も載せておくので、気になる方はチェックしてみてください。
競輪で中穴を狙うポイント
レース結果はこの通りで、3連単の94番人気で292.6倍という中穴でした。
単騎の中川選手(1)、東北ラインの武田選手(2)、佐藤選手(9)の上位入賞が本命でしたが、実際には、武田選手(2)ではなく同じ東北ラインの吉澤選手(5)が3着となりました。
その結果、「1-9-2(38.4倍)」よりも跳ねて「1-9-5(252.6倍)」といううまみのあるオッズになりましたね。
このように、競輪で中穴を狙うコツとして、「強いラインの本命選手だけではなく、強いラインの目立たない選手も三連単の車券に絡める」というテクニックがあります。
今回でいうと東北ラインの中でも特に人気だった武田選手(2)や佐藤選手(9)ではなく、吉澤選手(5)の3着まで買い目に入れておくという戦略です。
買い目を数枚足すだけで的中時の稼ぎが数倍〜数十倍になるので、ぜひこのテクニックを使ってみてください!
まとめ
毎年2月初旬に開かれる「読売新聞社杯全日本選抜競輪」。2019年の第34回大会は、中川誠一郎選手が単騎の逃げで優勝を飾りました。
おめでとうございます!
次回の第35回大会は、2020年2月8日〜11日に愛知県豊橋市の豊橋競輪場で初開催されます。
こちらもチェックしていきましょう!