毎年8月に開かれる、競輪のGI競走の1つ「オールスター競輪」。
2019年は8月14日〜8月18日までの5日間、愛知県名古屋市の名古屋競輪場で第62回大会が開かれました。
今回は、第62回「オールスター競輪」の決勝戦の出場選手・ライン予想・オッズ分析・レース結果などをご紹介します。
「オールスター競輪」とは?
オールスター競輪とは、川崎、大阪中央、名古屋と当時の三大競輪場の持ち回りの特別競輪として新設された大会のこと。
1956年の春・秋の年2回、持ち回りで開催されてきた全国争覇競輪(現・日本選手権競輪)が、年間最高位選手決定戦との意味合いから年1回開催となり、それに代わる春の祭典として設立されました。
プロ野球のオールスター戦を参考にする形で行われ、事前にS級選手が200名ほどリストアップ。その中から、競輪ファンが出場してほしい選手を10名ほど選び、競輪場に備え付けられた投票用紙やはがき、インターネットなどから投票し、その得票数に応じて出場選手を決定する仕組みです。
また、2013年の第56回大会からは、ガールズケイリンコレクションが併せて行われています。
オールスター競輪のレースの出場資格は?
オールスター競輪の出場選手は、ファン投票の結果を重視し選抜されます。 選考期間は前年12月〜当年5月(6カ月)で、当年6月に選考されます。その際、最低出走回数が24出走に達している必要があります。
そして、下記の資格順位により正選手135名、補欠選手8名を選抜します。
- S級S班在籍者
- 過去3回以上優勝した者(開催時S級1班所属が条件)
- 選手選考対象期間において2カ月以上JCFトラック種目強化指定(A)に所属した者(開催時S級1班所属が条件)
- 1.〜3.で選抜された者を除くファン投票の上位50名
- 平均競走得点上位者を1〜4で選抜された者を含めての合計が125名になるまで順次選抜(同点の場合は賞金獲得額上位者を優先)
- 残余10名については選考委員会が推薦した者が選抜される
また、正選手で次の条件を満たした合計27名は、ドリームレース、オリオン賞レース、特別選抜予選のいずれかに出走することが可能です。
- ドリームレース(9名):ファン投票の得票数が1位〜9位の人
- オリオン賞レース(9名):ファン投票の得票数が10位〜18位の人
- 特別選抜予選(9名)
また、特別選抜予選は下記の条件を満たす選手が選ばれますよ。
- ドリームレースまたはオリオン賞レースに選抜されなかったS級S班在籍者
- 残余は平均競走得点上位者から順次選抜
オールスター競輪の賞金は?
オールスター競輪の賞金は、他のG1競技と比べてもかなり高額になっています。次の表に、決勝戦の賞金をまとめました。
着順 | 金額 |
1着 | 4,200万円(4,400万円) |
2着 | 2,250万円(2,340万円) |
3着 | 1,510万円(1,560万円) |
4着 | 1,000万円 |
5着 | 800万円 |
6着 | 660万円 |
7着 | 610万円 |
8着 | 550万円 |
9着 | 500万円 |
※( )内は副賞(1〜3着に授与)を含んだ金額
優勝賞金は、副賞も含めて4,400万円と高額になっていることが分かりますね。
決勝の出場選手・ライン予想・オッズ分析
決勝戦に進んだのは、上記の9名。そして、地区や各選手のコメントから決勝戦は、
- 菅田選手、新田選手、渡邉選手、佐藤選手の東北ライン(4-2-6-9)
- 平原選手、諸橋選手の関東ライン(1-5)
- 単騎の中川選手(3)
- 郡司選手、中村選手の南関東ライン(7-8)
というライン予想となりました。
また、三連単のオッズに関しては
- 1番人気:2-6-9(10.1倍)
- 2番人気:6-2-9(15.4倍)
- 3番人気:2-6-1(18.5倍)
となっており、新田選手(2)と佐藤選手(9)を中心とした東北ラインが人気との結果になりました。
実際のレース展開がどうなったのか、早速見ていきましょう!
オールスター競輪、決勝のレース結果は?
2019年のオールスター競輪は、ファン投票第3位の新田 祐大選手が優勝しました。
新田選手、おめでとうございます!早速、決勝戦を振り返りましょう!
号砲と同時に躊躇なく新田選手(2)が前を取りに行き、
- 菅田選手(4)-新田選手(2)-渡邉選手(6)-佐藤選手(9)の東北ライン
- 平原選手(1)-諸橋選手(5)の関東ライン
- 単騎の中川選手(3)
- 郡司選手(7)-中村選手(8)の南関東ライン
予想通りで周回します。
赤板周回、後方から郡司選手(7)が踏み込んでいきますが、菅田選手(4)が突っ張って車を引かず。そして、誘導員が退避します。
ここで、青板2角から前を抑えに来ていた郡司選手(7)-中村選手(8)の南関東ラインは、最後方まで車を下げます。
ジャン(打鐘)の時点で、東北ライン・3車(関東ラインと中川選手)・南関東ラインと、各ラインごとに車間が縦1本の形に。
最終第1センターから、2角捲りに出た平原選手(1)。最終バックで、菅田選手(4)の番手から発進し始めた新田選手(2)の前に少し躍り出ます。
しかし、内から粘った新田選手(2)が対抗。新田選手は最終4角で、平原選手の猛チャージを振り切ってゴールイン!
前に5人がいた中、平原選手と新田選手の間にできたコースを追い込んだ東北ライン4番手の佐藤選手(9)が2着に入り、平原選手のマークから外を踏んで伸びた諸橋選手(5)が3着の結果に。
新田選手の後ろを回った渡邉選手(6)は、最終バックで平原選手と諸橋選手(5)に入られてしまい最後は外を行くことになり、1/8車輪差の4着。平原選手は、5着に終わっています。
新田選手は、2018年2月の全日本選抜以来のG1優勝で、2015年の第58回大会以来通算2回目のオールスター制覇となりました。
レースのリプレイ動画も載せておくので、気になる方はチェックしてみてください。
競輪で中穴を狙うポイント
レース結果は上記の通りで、三連単の100番人気で325.8倍という中穴でした。予想では
- 新田選手(2)
- 渡邉選手(6)
- 佐藤選手(9)
以上の上位入賞が期待されていましたが、実際には渡邉選手(6)ではなく、関東ラインの諸橋選手(5)が3着という結果で幕を下ろしました。
その結果、「2-6-9(10.1倍)」よりも跳ねて「2-9-5(325.8倍)」と30倍以上のオッズになりました。
このように、競輪で中穴を狙うコツで「強いラインの本命選手だけではなく、勝ちそうなライン内で強い選手を三連単の車券に絡める」方法があります。
ライン内で強そうな選手を見極めるには、競走得点を参考にするとOK。
今回のレースでは、本命選手であった新田選手と佐藤選手に加え、競走得点が5番目の諸橋選手を入れておくことで、高オッズになります。
ぜひ、次のレースでこのテクニックを活用してみてくださいね。
まとめ:新田 祐大選手が「まくり」を決めて優勝!
2019年8月に行われた第62回「オールスター競輪」は、ナショナルチームの新田 祐大選手が平原 康多選手との激しい攻防の末に「まくり」で優勝を勝ち取りました。
新田選手、おめでとうございます!
次回の第63回大会は、2020年8月12日〜16日に2年連続7度目の名古屋競輪場で開催されます。
こちらもぜひチェックしていきましょう!