KEIRINグランプリ2019の出場権をかけた最後の一戦「朝日新聞社杯競輪祭」。
2019年の第61回大会は、11月19日〜24日まで福岡県小倉市の小倉競輪場で行われました。
今回は、第61回「朝日新聞社杯競輪祭」の決勝の出場選手・ライン予想・オッズ分析・レース結果などをご紹介します。
朝日新聞社杯競輪祭とは?
朝日新聞社杯競輪祭は、現在、福岡県北九州市の北九州メディアドームにあった小倉競輪場で競輪が創設されたことを記念して行われるG1競走のこと。
そして、当年の「KEIRINグランプリ」出場権を賭けた、最後のG1競走です。
また、G3以上のグレードレースでは各競輪場の開設記念を除いて唯一、本大会のみ開催地が毎年固定されて行われています。
2018年度からナイター競走に
朝日新聞社杯競輪祭は、2018年の第60回大会から下記のルールが一部変更になりました。
- G1初のナイター競走
- 6日間制
- 特別選抜予選の廃止
- 予選におけるポイント制の復活
- ガールズケイリンの同時開催
朝日新聞社杯競輪祭では、第40回以来の20年ぶりに6日間開催が復活。
また、一次予選では特別選抜予選の廃止とガールズケイリンで採用されているポイント制を導入し、ポイント獲得上位者が二次予選へ進出できるように番組を変更しています。
レースの出場資格は?
朝日新聞社杯競輪祭の出場選手は、各競輪場の記念競走の決勝で好成績を残した「勝負強い選手」が選抜されます。
毎回若干の変更はありますが、概ね下記の資格順位から正選手108名、補欠選手8名を選抜しています。
まず、最低出走回数が24出走あることを必須条件に
- 平均競走得点:当年3月〜8月(6カ月)
- 4日制G3成績:前年9月〜当年8月(12カ月)
以上の選考期間が設けられ、当年9月に選考されます。そして、下記に該当する人物がレースの出場権を獲得できます。
- S級S班の在籍者
- 過去3回以上優勝した者(開催時S級1班所属が条件)
- サマーナイトフェスティバル決勝の競走出走者
- 選手選考対象期間において2カ月以上、JCFトラック種目強化指定(A)に所属した者(開催時S級1班所属が条件)
- 4日制G3(記念競輪およびトラック支援競輪)の決勝での1〜3位の回数上位者
ただし、1位の回数が同数の場合は2位の回数の多い選手を、2位の回数が同数の場合は3位の回数の多い選手を順次選抜。
3位の回数が同じ場合は、平均競走得点上位者を優先して選抜しています。
朝日新聞社杯競輪祭では、レベルの高いレースを見ることができると言えますね。
朝日新聞社杯競輪祭の賞金は?
朝日新聞社杯競輪祭の賞金は、次のように着順で異なります。次の表に、決勝戦の賞金額をまとめました。
着順 | 金額 |
1着 | 3,360万円(3,450万円) |
2着 | 1,710万円(1,750万円) |
3着 | 1,120万円(1,144万円) |
4着 | 815万円 |
5着 | 672万円 |
6着 | 560万円 |
7着 | 448万円 |
8着 | 410万円 |
9着 | 397万円 |
※( )内は副賞(1〜3着に授与)を含んだ金額
2018年大会の3,390万円(副賞含め)より、金額が60万円アップしています。
決勝の出場選手・ライン予想・オッズ分析
決勝戦に駒を進めたのは、上記の9名です。このうち、地区や各選手のコメントから決勝戦は
- 清水選手、松浦選手、柏野選手の中国ライン(5-1-6)
- 単騎の坂口選手(8)
- 単騎の和田選手(2)
- 単騎の木暮選手(7)
- 吉田選手、平原選手、諸橋選手の関東ライン(4-3-9)
というライン予想となりました。
また、三連単のオッズに関しては
- 1番人気:3-9-1(27.6倍)
- 2番人気:9-3-1(28.9倍)
- 3番人気:1-5-3(29.9倍)
となっており、埼玉の平原 康多選手(3)、諸橋 愛選手(9)、松浦 悠士選手(1)に人気が集中する形となりました。
調子が良い平原選手、平原選手と同じラインの諸橋選手、GP出場が懸かる松浦選手ですが、実際のレース展開がどうなったのか見ていきましょう!
朝日新聞社杯競輪祭決勝のレース結果は?
今回の朝日新聞社杯競輪祭は、広島の松浦 悠士選手が「差し」を決めて優勝を飾りました。
松浦選手、おめでとうございます!それでは早速、決勝戦を振り返りましょう!
レース序盤では、1番車・松浦選手が飛び出して先頭員の後ろにつけます。
その後、清水選手、松浦選手、柏野選手の中国ライン(5-1-6)、単騎の2番車・和田選手。吉田選手、平原選手、諸橋選手の関東ライン(4-3-9)。単騎の8番車・坂口選手。そして、単騎の7番車・木暮選手で周回します。
5番車・清水選手が先頭員との距離を大きく空けつつ、後方の様子を窺いながら走行します。
残り2周の先頭員が退避したところで、5番手を走る4番車の吉田選手が踏み込んで来ますが、先頭に立つまで時間がかかりました。
先頭に立つまで時間がかかった清水選手は、一旦イエローライン近くまで上がり、3番車・平原選手との競り合いでイン粘りを見せます。
続く3番手には、内側に松浦選手、9番車の諸橋選手。
3番車の平原選手は、最終1センターで外へふくらんでしまい完全に後退します。
その直後の内側では、番手につけた清水選手がすかさず発進して、バック手前にて吉田選手を捌いていきます。
続く松浦選手は、吉田選手を抜かした後に清水選手との車間を空けますが、6番車・柏野選手を捌いた諸橋選手に気づいたため、警戒してギリギリまで待ってから踏み出します。
ゴール前で清水に追い付き、ハンドル投げで交わしました。
清水選手、松浦選手、諸橋選手に続いて、2番車・和田選手がまくりで追い込みを図ります。
しかし、車間を切る松浦選手、4コーナーで清水選手を捉えると後ろから差してゴール!
清水選手は2着に残り、中国ライン両者のワンツーフィニッシュに。諸橋選手は、和田のまくり追込みをブロックしてから直線に入り、3着に終わりました。
レースのリプレイ動画も載せておくので、気になる方はチェックしてみてください。
競輪で中穴を狙うポイント
レース結果は上の通りで、三連単の8番人気で40.8倍でした。
上位入賞が期待されていたのは
- 平原選手(3)
- 諸橋選手(9)
- 松浦選手(1)
以上の3選手でしたが、実際は平原選手(3)ではなく清水選手(5)が2着に入っています。
その結果、「3-9-1(27.6倍)」よりも「1-5-9(40.8倍)」と少し跳ねたオッズになりました。
決勝戦のラインを見ると
- 清水選手、松浦選手、柏野選手の中国ライン(5-1-6)
- 吉田選手、平原選手、諸橋選手の関東ライン(4-3-9)
以上の2つが形成されており、各ラインの競走得点の合計点数を見ると
- 「5-1-6」=343.46
- 「4-3-9」=349.07
上記のように、関東ラインが強いことが分かります。
ラインのなかで圧倒的に強い選手は、後ろからまくり上げてきて上位争いを繰り広げることがあります。
さらに、今回のレースは走りやすい400バンクを持つ小倉競輪場での開催。400バンクは、どの決まり手も出やすい傾向にあります。
今回は 、競走得点が高く、「差し」を多く決めている9番車・諸橋選手が前に吉田選手、平原選手と2車いることで風の抵抗を防ぐことができ、最も有利なレース運びを行えたと言えます。
このように、競輪で中穴を狙える「強いラインの本命選手だけではなく、他の強いライン中の圧倒的に強い選手も三連単の車券に絡める」というテクニックも予想では使うことができます。
ぜひ、競輪でいつもより多く稼ぎたいという人は試してみてくださいね。
まとめ:松浦選手が広島勢初の快挙を達成!
2019年の第61回「朝日新聞社杯競輪祭」は、松浦悠士選手がGI決勝進出3回目での優勝。
グレード制導入後では、広島勢で初の快挙となりました。松浦選手、おめでとうございます!
次回の第62回大会は、2020年11月18日〜23日に開かれます。
こちらもチェックしていきましょう!
【参考記事】